二つの展覧会

頂いた日展の招待券を見たらあと数日で会期満了。一方、Bunkamuraザ・ミュージアムの株主優待券で観られる「風景画の誕生」も閉会間際ということで、やっと暇を見つけた12月4日に、大慌てで二つの展覧会の梯子をやりました。
道順の関係もあってまず新国立美術館の日展へ。とても全部は見られませんから、興味のある洋画部門だけですが、改組2年目とあって審査も熱がこもったのでしょうか、比較的レベルが揃っているような印象を受けました。とりわけ特選の作品は流石と思わせる絵があり楽しめました。
応募約2000点の中から入選したのが567点とか。おしまいの方になると大きな絵が2段で並び流石に1点ずつじっくり見るのはとても無理。木曜水彩会の講師が「歩いていて、ふと振り返りたくなる絵があったら、それは良い絵です」と教えてくださいましたが、これだけあると疲れてビームの受信能力も低下します。自分が出品者だったら悲しいだろうなどと思いながらも部屋の真ん中を素通りしてしまいました。
本当は何回かに分けて観に来るのが展覧会の見方なのかもしれませんね。

Bunkamuraザ・ミュージアムは渋谷ですからさほど遠くではありません。運よく東急百貨店の送迎バスにすぐ乗れて比較的短時間で到着。ここでお茶でも飲んで、一旦頭を切り替えるべきか思案しましたが、早く観たいという思いが勝って、すぐ入場。日展の明るい会場とは異なり、少し薄暗い室内は全く印象が変ります。何か「いよいよ貴重なものを観るぞ」と言う気になります。
ウイーン美術史美術館所蔵の絵70点を使って「風景画の誕生」と題して構成した今回の展覧会は、多くの名画展とはまた趣の異なった面白い企画だと思います。
風景画という言葉に魅せられてやってきましたが、ちょっと考えていたのとは異なりました。まず、聖書や神話を主題にした作品からスタートします。
私自身はいわゆる「宗教画」はあまり好みではありませんでした。聖書や神話を理解していないからです。その宗教画を今回は「風景画」と言う視点から観て我ながら驚きました。「凄い」の一言です。精細な表現、色や筆遣いによる遠近法。構図。主題をそっと支える謙虚さ。
物事は「視点」を変えてみることが大切と言いますが、視点を変えるとこんなにも違うのかということを実感した一時でした。
日展とは異なる格調の高さについ高価な図録も購入し、何か疲れを忘れ帰路についた1日でした。(20151205)

2015年12月11日